冒頭からいきなりですが、時代小説家の隆慶一郎が書いた『影武者徳川家康』っていう本を読んだことはありますか?
小説は関ヶ原の合戦で徳川家康が敵方に殺されてしまい、困った徳川の陣営は、影武者の世良田二郎三郎を家康に仕立て上げて急場を凌いだというところから始まります。
主人公の世良田二郎三郎は最初のうちこそ、家康の家臣たちに命令されて動いているのですが、途中から少しずつ立場を逆転させていきます。
家康の息子の秀忠から命を狙われて何度も危うい目に遭っても、世良田二郎三郎はそのたびに知恵を絞り、天寿を全うするまでうまく切り抜けました。
実は徳川家康が関ヶ原の合戦で死んでいたというこの小説の設定は隆慶一郎氏が実証的な文献・資料を元に構想されたものらしいですね。
僕は十年くらい前にこの本を読みました。
その時は小説前半はわりとテンポのよい展開になっていて痛快な気分で読めたんですけど、ラストの方に近づくにつれ、だんだんと哀愁が漂ってきて、すごく寂しい気持ちになりました。
もっと徹底的に秀忠たちをぎゃふんと言わせちゃえばよいのになどと思ったりもしました。
だいぶ前に読んだのではっきりとは覚えてないのですが、世良田二郎三郎が生き残るためにとった戦略は”勝ちはしないが、絶対に負けない”というものだったと記憶してます。
自分にとってこれからの人生を”勝ちはしないが、絶対に負けない”ためにはどう戦略をたてていけばいいのか、それを思案する日々です。
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